TPPのメリット・デメリット、日本・米国を中心とした環太平洋戦略的経済連携協定 Vol1
2015/11/20
■ TPP正式名称はTrans-Pacific Partnership。
別名、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。
日本語:環太平洋戦略的経済連携協定。
このTPPについて、シリーズで見ていくことにする。
もともとは2006年に
■ シンガポール
■ ニュージーランド
■ ブルネイ
■ チリ
以上の4カ国間で発効したP4(パシフィック4)
と呼ばれる規模の小さいEPAであった、
2009年に
■ 米国
■ オーストラリア
■ ペルー
■ ベトナム
が次々と参加し、名称もTPPに変更される。
2010年に
■ マレーシア
が加わって参加国が9カ国に拡大
日本でも注目されはじめた。
2013年2月23日
アベノミクスを推し進める安倍首相は
「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」
として事実上のTPP参加を表明。
翌月3月15日にはTPP交渉への参加を正式に表明し、
これからの交渉に全国民の関心が集まる事となる。
■ 日本
が参加し10カ国
これに
■ カナダ
■ メキシコ
が加わり12カ国となった。
■ そもそも何故今頃になって大騒ぎしているのかと言うと
この12カ国の中には
日本・アメリカのような経済大国もあれば、
ベトナム・ペルーを始めとする後進諸国も参加している
ため、統一条件を定めることが一大課題となっていた。
今回の会議で概ね条件が出揃ったことから一気に実用へ
向けて進み始めた。
それでは、
TPPに参加することによって
日本国民に何が有利に働くかだが問題は山ほどある。
■ では概ねのメリットとデメリットを見て行こう。
TPPに参加するとこんなメリットが
1.経済産業省は、TPPに参加しないと輸出企業の
業績悪化が見られ雇用が81万人減るとされる。
2.関税の撤廃される為、TPP参加国からの輸入肉
・野菜・果物・乳製品などの食品が安くなる。
3.関税の撤廃により日本輸出産業の製品輸出額が
増大する。
4.整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業
は利益が増える。
※結果グローバル化が加速することで、GDPが年間2700億円増加する見込み。
TPPに参加するとこんなデメリットが?
1.海外商品が大量輸入されることでデフレを引き
起こす可能性がある。
2.関税の撤廃により安い農作物が輸入され、日本
の農業に大きなダメージを与える。
3.TPP参加国で食品基準が決定されるため、これま
での日本の基準は通用しなくなる。
※食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などが規制緩和される予定。
4.医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国
保制度の圧迫や医療格差が広がると懸念される。
ここで、一般国民が注目するのは、メリットの2.ではないだろうか?
輸入肉・野菜・果物・乳製品などの食品が安くなる
と言うのは、一見大きなメリットのように思える、
が、デメリットの3.を見てほしい
特に※以降
食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などが規制緩和される
とあるが、
緩和されると言うより、後進諸国に出来る程度に合わせる必要が出てくると言うこと。
となると、日本の基準はほぼ通らない
つまり散々これまで問題とされてきた食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬の問題が再び起きると言う事になる。
では、不参加にすれば、となると日本が誇る製造業の業績悪化が起こるのは必然。
メリット
1.の経済産業省発表の雇用が81万人減と言うことになる。
※実際はこんな単純なことではなく、参加せざるをえない状況であることは伝えておこう。
さてあなたはどちらを選択しますか?
次回から(Vol2以降)
各分野のメリット・デメリットを解説していく事にします。